audible

「思考の質を高める 構造を読み解く力 河村有希絵著 2023年」audible感想 No. 67

「思考の質を高める 構造を読み解く力」をaudibleで聞きました。

文章を構造的に理解して、理解を深めようという本で、文章の構造がどうなっているかを意識するように癖をつけることで、より短時間に文章の理解ができたり、普段の生活でも相手への理解が進みやすくなるということでした。

読んでいて面白かったのは、小学校の国語の授業で使われ出した考え方ということで、何例か実際の小学校での授業中の子供達のやり取りが載せられているのがあり、ある文章について、いろいろな捉え方の意見を出し合って違いを認識し合う感じが、国語のテスト問題を解くようなつまらなそうなものとは違い、良いなあと思いました。

こうした印象に残るような授業を小学校から受けられた生徒を羨ましく感じました。

これを読んでいて思い出したのが、自分が中学時代の国語の先生が変わった授業をしていたのを思い出しました。毎回の授業の宿題が、その時やる国語の教科書の文章(詩や物語)について、とにかく思ったことをルーズリーフに1枚以上書いて来るというもので、授業ではそのルーズリーフに書いたことを当てられた生徒が発表していくというものでした。一つの小説や詩が終わって次の課題の文章に移る時に、それまで書き溜めてきたものを提出するというものでした。

この授業はあまり得意ではなく、教科書の中の興味のない文章を読んで無理やり捻り出した理屈を書き留める作業は結構苦痛なものでした。ただ一度、ある詩について思ったことをルーズリーフに書き留めているときに、作者が山道を歩いていて目に映る刻一刻と変わる風景を詩にしていることがパッと浮かび、それを夢中になってルーズリーフに書き込んだことがありました。

それが理由かはわかりませんが、それまであまり成績の良くなかった国語の通信簿がその学期だけ5段階評価の5となったのでした。国語の授業風景を聞いているうちに自分の昔を思い出しました。

不思議なのは、この本の中では、文章の構造をテーマにしているのに、小説の中の主人公でない人物の気持ちを考えるとか、主人公の気持ちを口語で表してみようとか何か一見すると構造からは違うようなことを推奨しています。

ただ、小説の楽しみ方として、これはこれで面白いかもとも思いました。

ABOUT ME
naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA