橘玲氏の本は自分にとっては出たら大体買って読む著者リストに入っていて、昔の「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の時からのファンで、働き方や、資産運用に関するものなど新しい考え方を面白く読んでました。直近で出た「シンプルで合理的な人性設計 橘玲著 2023年」を読み終わりました。
自分にとって、橘氏の本の魅力は、世の中を極力感情的でなく、あたかも研究者が野生動物やラボ内の微生物を観察するように見ている姿勢です。ちょっと他では踏み込まないようなところまで感情や配慮をある意味一切無視して、どんどん話を進めていくところが魅力です。ただ、自分もそれに耐えられるぐらいの精神状態のゲージがある程度上がっていないとちょっと辛くなってしまうところもあります。
今回のこの本は、以前に出版された「幸福の資本論 2017年」で、幸福を構成するのに必要なリソースを3つ(金融資産、人的資本、社会資本)に分類して説明していたところからより考察を深め、それぞれのリソースでより合理的に成果を出すにはどうしたら良いかについて、氏のその膨大な読書による知見より導き出しています。人付き合いの苦手な自分としては、特に社会資本に関するところでは、一部グサグサくるところもありました。本の構成として、社会資本、人的資本、社会資本の順番でそれぞれ考察が進んでいくのですが、社会資本が最後になっているのは、ショックのより小さそうな順番になっているのかなと思ったりしました。
また、多くの本を引用しているのですが、実は購入したものの読んでいなかった、「限りある時間の使い方 オリバー・バークマン著 高橋璃子訳 2022年」、そして書店では結構見かけていた「エッセンシャル思考最少の時間で成果を最大にする グレッグ・マキューン著 高橋璃子訳 2014年」など読んでみようという本がちょこちょこあったので、またさらっと読み直してピックアップしてみようと思いました。