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「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる 成田祐輔著 2023年」audible感想 No. 63

「22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる」をaudibleで聞きました。

最近、成田祐輔氏に関して炎上したというニュースなど、お名前を耳にする機会が増えていて、audibleの読み放題プランで何か聞ける物はあるかと探したところタイトルの1冊ヒットしたので聞いてみました。

著者の成田祐輔氏の肩書きはイエール大学アシスタントプロフェッサーで 専門は経済学  でアルゴリズム、AIに関するビジネスも行う起業家(wikipediaより)ということです。本の前半を聞く限りは、政治学者かな?と思いつつ、それにしては議論の展開が激しいというか、文章の言葉の選び方がシニカルというか、独特だなあと思い聞き続けていました。

全体の流れとしては、民主国家が専制国家に比べて、最近はうまく機能しなくなってきているのではないかということが書かれています。かといって民主主義から専制国家へ変えるのもいやだ、ではどうすればよいだろうか、ということで、現状を出発点として変えていくパターンから、逃げ出すパターン、そして最後にセンサーなどの技術を使って集めた情報を元にAIで国家としての意思決定をしていくというパターンと、それぞれ細かく考察をを行っています。

著者の専門は本のタイトルにあるように民主主義について、すでに誰かが検討している内容を引用・参照しながら、「結局、こうした政策決定のやり方で十分機能させられるのではないか」というアイデアとしています。

特に後半になるにしたがい、政策の決定にAIやセンサーを活用して、投票による一つのデータのみでなく、もっと別の本音なども検知して基礎的なデータとして決定に活用する「無意識民主主義」について言及していて、SF映画の設定を聞いているような気分になりました。

刺激的な本で面白いのだけど、未来予測の本とはまた違うような、思考実験と呼ぶようなものになるのでしょうか。

聞いている中で、なるほどと思ったのは、政治システムの現状からの変更の難しさを書いていて、その理由は現状のルールで勝ち抜いている政治家が今のルールを変更するモチベーションは弱い、ということが印象に残りました。

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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