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読書「多様性の科学 マシュー・サイド著 2021年」No.155

「多様性の科学 マシュー・サイド著 2021年」をandroidの読み上げ機能で耳読した感想です。

著者のマシュー・サイド氏は、英タイムズ紙のライター・コラムニストということで、すでに出版されている書籍を引用しながら、多様性の観点で分かりやすくまとめられていて、一気に読んでしまいました。

引用されているいくつかの本は、自分もこれまでに読んだことのあるものでしたが、多様性持たせることによる問題の解決という観点でまとめられていてまた面白く読むことができました。

何ヶ所か特に興味深いところがあり、そのうちの一つがダイエットに関するところでした。血糖値の急上昇を防ぐために、GI値の低い食品をとることが推奨されますが、研究により、人によりGI値を急上昇させる食べ物が異なっていた、ということです。

これまで、GI値が低いと思って食べていたものが、結果として血糖値を急上昇させていて、それが肥満につながっていたということです。その人の遺伝的なものや腸内細菌の状態などの影響という説明がされていました。

確かに、言われてみれば、以前何かの本で読んだことで、ある原住民がタンパク質がほとんど摂取できず、芋などの炭水化物がほとんどなのに、筋肉が発達している理由として、腸内細菌が取り込まれた炭水化物から効率的にタンパク質を合成して、それを吸収しているのではという話がありました。

そうすると腸内細菌の構成により、消化吸収がされやすいものやそうでないものが出てくるのもなんとなく納得できるものでした。

本の中では、定期的に血糖値をモニタリングしてくれる機器を装着して、さまざまなものと食べた時の血糖値の変化を見ていくことで、自分にとってGI値の低い食べ物を探していくことができるようです。海外ではオーダーメイドでGI値を低く抑える健康に良い食べ物を教えてくれるサービスがあるそうです。

思わず、amazonで血糖値をモニタリングする機器を検索してしまいました。1万円ちょっとで、リストバンド型の機器があるのを確認しました。健康オタクではないつもりですが、これはちょっとポチッとしてしまいそうです。

あともう一つ特に気になったのが、「人は不確かな状況に直面すると、ある種の支配的なリーダーを支持して、秩序を取り戻そうとする傾向がある。」というところです。その例として、第一次世界大戦後のドイツやイタリアでの独裁国家が台頭したということです。好きな経済評論家である上念司氏の「経済で読み解く日本史」のシリーズは、経済状況が悪い状態になると、やけを起こした民衆が、とんでもない方向に動き出す。という法則を一連のシリーズの中で検証していますが、異なる考えを持つ人が違った道を進むが行き着く先が同じというところで怖いと思いました。

これらの他にも、多様性があることで、さまざまな問題の解決につながったり、多様性がなかったことで事故などよく無い結果になってしまった例がたくさん示されています。

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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