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「運動の神話 上下巻 ダニエル・E・リーバーマン著 2022年」読書感想 No.109

こんにちは naka です。

「運動の神話 上下」をkindleで購入、androidのtalk backで耳読したので、その感想です。少し前から、運動と食事については興味があったのですがamazonのおすすめか何かのきっかけで、この本と、「運動しても痩せないのはなぜか」を勢いで買ったのですが、すぐに自分の中でのブームが終わり、そのままになっていました。今回この2冊の本を読み始めたらどちらも予想外に面白く、一気に読み終わりました。

著者のダニエル・E・リーバーマン氏は最初は気に留めていなかったのですが、かなり前に読んで面白かった「born to run」にもあったようにホモ・サピエンスの持つ瞬間的なスピードはないが長時間走ることのできる能力で、獲物を安全に捕獲することで生き残った話が印象に残っています。また、ランニングについてつま先着地を推奨し、厚い靴底が返ってケガに繋がるといった話に触発されて、薄い靴底のランニングシューズを購入して走り、ふくらはぎをパンパンにさせて3日坊主になったりしていたのを思い出しました。

ただこの本の内容は、「born to run」よりもバージョンアップされた感じで話題も幅広く健康と運動の関係についてさまざまな研究結果を引用して考察がされています。走り方についてはつま先着地などにこだわるようには書いておらず、かかと着地の標準的な走りでもいいけど、より足裏全体を使って着地したり、つま先で着地するのは膝を痛めにくいよ、と軽く勧める感じになっています。この本の下巻では、健康に良い適切な運動量とはどのぐらいだろうか、ということをずっと考察しています。ただ、一通り読んだ自分の理解では、どうも適切な量の運動やその強度、内容ははっきりと明記されていなかったように思います。

人種の違いや個人個人の違いがあって、誰もに有効な解がないようでした。それでも筋トレを含めた運動により、体が一定のダメージを受けることで、そこから回復させる過程で、ついでに別の部分もいい状態に直したり、ダイエットにしてもリバウンドしにくくなるような話は興味深かったです。

元々このようにずっと座り続けるような生活は、人類の歴史でもごく最近のことであり、そうした生活にこの体は適応できておらず、一定の運動をしたりすることが前提になっていることということでした。

狩猟採集で生活する民族を長年観察することで、こんなにもさまざまなことが考察でき、成果が得られることから、観察を行う研究者が増えてブームになり、それが、その民族を少しずつ変えてしまい、研究に差し支えるようになるだろうと考察するぐらいになっているのが、皮肉というか難しいものだなあと思いました。

 

 

 

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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