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「民俗学入門 菊地 暁著 2022年」読後感想 No.123

「民俗学入門 菊地暁著 2022年」をkindle unlimited で借りて耳読した感想です。

著者の菊地 暁氏は、民俗学を大学で教えている研究者の方で、教える中で、入門書の必要性を感じる中で、なら自分で書いてしまえということで、書き上げた本ということです。本の中のところどころで、「自分ごときが入門書を書いてしまった」「入門書というのは本来は一線から退いた方がまとめるものであるが」のような、いいわけというか、恐縮しているというかそんな文章が多くあるのが何か面白かったです。

たいていの研究者は、どちらかというと「自分が自分が」という感じの図々しさというか自信を持ってやっている人というのが一般的かと思っていましたが、この著者の場合は違う感じです。

民俗学というのは、衣食住を中心に、日々の生活を記録してまとめていく学問ということでしょうか。入門書ということで、衣食住など様々なテーマで著者が記録を取り始めたであろう昭和の後半から現在までがどう変化しているかを、簡単に触れているというか、「こんな感じで記録をして、広がりを持たせてやっていくんです」という解説を聞いているような感じのまさに入門書でした。

著者の年代は自分とほぼ同じ年代の方ということで、感じてきた時代の変化や、両親などの自分の回りのより年齢の上の世代から受け継いでいるものに対する感じ方、距離感が似ているので、昔を懐かしく感じながら読み進めることができました。

大学の授業で民俗学を教えていらっしゃるということで、民俗学というと、この本から感じたのは、自分の生まれてから今までの様々な事象を記録するということで、自分と同じ年代が20代からどうとらえられているのかちょっと興味深く感じました。

先日30代のラジオをよく聞いている方との会話になり、今では当然スマホでradikoのアプリを使っていて、深夜放送も昼間に聞くことができる時代であり、自分の経験した遅くまで起きていて聞いていて寝落ちしてしまった経験を話して、ぽかんとされてしまい、大きく変化を感じたのでした。これも記録していけば民俗学的な考察になるのだろうかと思ったのでした。

ただ、地域的な風習なども時代とともに無くなったり変わってしまったりしまうのですが、もっと大切なものなのだと改めて感じることができました。

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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