「人類と気候の10万年史」をaudibleで聞きました。
著者の中川 毅氏は古気象学の研究者でこの本は、その研究についてまとめられています。
audibleで一通り聞いた感想としては、とにかく丁寧に地道に研究を続けている様子が、文章からも読み取るこができ、好感と尊敬の念を感じました。
研究対象としている、日本の水月湖の湖底の年縞堆積物に対する熱い思いというかこだわりというか、ワクワクしながらやられているのだなと読んでいる(聞いている)自分も楽しくなってしまうような本でした。本の中盤からの水月湖の話からは、最初の導入部分の予備知識としての理論・モデルというか想像の世界から、一気にリアルの外気の暑さ寒さ、研究室にこもっての地道な解析作業が感じられるような文章になっていきます。
何か以前に読んだ「」と似たような印象です。ちょっと本の最初の温暖化と寒冷化の周期の話のところは難しく、audibleで一度聞いただけではかなり厳しいです。ただ、現在は温暖化が進んでいるのか、寒冷化になりつつあるのかについての考察は興味深かったです。本からの自分の理解としては、今は本来は寒冷化が進んでいないといけない周期なのに数千年前から温暖化が続いている状況ということで、何やら落ち着かない結論でした。
また、著者の考察として、温暖化の時期と寒冷化の時期とで、ホモサピエンスの取りうる生活様式狩猟と農耕の有利不利について考察がされていて、著者の考える今の温暖化から寒冷化へ切り替わるであろうタイミングについて懸念されています。それなら温暖化は人為的でも続いた方が良いのだろうかとも考えてしまいます。
少し前に、「温暖化の真実」など温暖化への警鐘となる本(自分は読んでいませんが)が出ていますが、また関連する本を読んでみようと思いました。