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「日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る 播田安弘著 2020年」読後感想 No.131

「日本史サイエンス 蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る」をkindle unlimitedで借りて、android端末の読み上げ機能で耳読した感想です。

著者の播田安弘氏は、船の設計を行ってきた後に、大学の先生になった方で、船に関しての専門家です。そうした方が過去の歴史上の出来事について、その知識をもって考察した本です。

ブルーバックスの本で、この本も難しいのではと、最初は身構えましたが細かな数字が出てくるところなど難しいところは飛ばしつつ大体理解して楽しむことができました。

この本では、船に関する3つの時代が異なる歴史的出来事について考察されています。蒙古襲来、秀吉の大返し、そして戦艦大和に関するものです。

歴史の研究の進め方について全くの素人の自分が考えるのは、出来事あった当時や少し後の記録や、発掘された物からの推定などが思い浮かびます。記録に関しては特に中国の歴史にかぎらず、日本の歴史でも、それを読む対象、つまり当時の勝者を称える要素が多目になることを考えると多少の誇張や不正確な部分や記録の抜けなどもあるのかなと思いますが、著者は、最後の戦艦大和に関するものを除いて、当時の記録に対して、シュミレーションと、自身の船に関する専門知識を加えてその通りであったかを考察しています。

最も印象に残ったのは戦艦大和のところです。50代の自分にとって戦艦大和といえば、松本零士の「宇宙戦艦大和」があり、その昔、小学校ぐらいの時に亡き明治生まれの祖父と映画館へ見に行った数少ない映画の戦艦大和が出てくる「連合艦隊」の強い印象があったりします。

その性能や、建造された背景や費用、そして実際の戦闘や、沈没時の状況など、著者自身もかなりの思い入れを感じさせる文章でした。後、これらの戦艦を建造したことによる技術の蓄積が、戦後の造船業へどれだけ影響があったかについてなども、実感がこもっているというか説得力があり興味深かったです。

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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