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「経済で読み解く日本史 安土桃山時代 上念司著 2019年」読後感想 No.127

「経済で読み解く日本史 安土桃山時代」をandroid の読み上げ機能で耳読しましたのでその感想です。

著者の上念司氏による「経済で読み解く」シリーズの2冊目となるものです。
最新の平成時代編を購入した際に、シリーズの全6冊をkindle で購入したまま一部を読み始めて止まっていたところで、今回、久しぶりに最新の平成時代を読んだら面白かったので、改めて古い時代から順に読み進めて、2冊目になります。

前の「室町時代・戦国時代」では、寺社勢力が強かったり、お金は国内では生産しておらず輸入に頼っていたりしていたところから、今回の「安土桃山時代」では、寺社勢力の力をそぐところがあったり、経済の面から見た、織田信長、豊臣秀吉の評価などを楽しく読むことができました。

著者の上念司氏が、会社経営を行っている視点でみた織田信長の評価が中小企業の社長の心境に重なるというもので独特でした。また、豊臣秀吉の行った朝鮮出兵の失敗に関して、現場のまずい対応や、海洋国家であるべきであったのが、大陸へ行ってしまった失敗の分析など、直近の同氏の著作の地政学に関する本の内容とも重なるというか、そう感じました。

後、太閤検地や刀狩りなど、歴史としては聞いていた内容についても、新たな視点でみることができここも面白かったです。ただ、道半ばでこの時代が終わり、江戸時代になっていくのですが、なんというかものすごい運にも恵まれているはずなのに、後ちょっと足りなかった時代というか次の江戸時代への地ならしになってしまったというか、そんな感想を持ちました。

この戦国時代から安土桃山時代までは、昔からNHKの大河ドラマでは繰り返しテーマとなっている定番のところというか、中国では三国志の中盤の面白いところとも通じる躍動感のあるところですが、一歩俯瞰して見たおもしろい本でした。

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naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

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