talk_back

「humankind希望の歴史 上下巻 ルトガー・ブレクマン著 野中香方子訳 2021年」読書感想 No.101

こんにちは naka です。

「humankind 希望の歴史 人類の善き未来を作るための18章」は上下巻からなるなかなかの分量の本ですが、android talk backで耳読しました。この本は以前にkindleで購入したのですが、上巻の途中まで読んで止まっていました。今回上下両方聞いたのでその感想です。

一言でまとめるとこの本は、人間の本来の性質が暴力的と言われている根拠となっている数々の実験や事件や歴史上の解釈などに対して、反論する内容の本です。上巻では、人の残虐性を示す有名な小説や実験、事件に対して再度調べ直すなどして本当にそうだったのかを考察しています。下巻では、実際に行われた海外の市の取り組み、有名なネルソン・マンデラのアパルトヘイトに関する話などが出てきます。

特に印象に残ったのは、戦争に関する記述の数々で、アメリカの南北戦争で使われた鉄砲を戦後に調べた結果、実際に砲弾が発射されたのは1割とか2割とかで、他は一度も発砲されていなかったという事実で、人は相対する相手を殺傷したりすることは思っている以上に大変なことで、逆に自分が死んでしまうことになるリスクを冒しても発砲せず、以降の戦争では、新兵訓練の際にそうしたハードルを下げるようなことをしたり、薬剤を使ったりと対処したがその反動として、PTSDが多く発生してしまったりということでした。現在ではさらに遠隔操作で直接相対しない無人攻撃機を使うなどして対応している流れが書かれています。確かに、普段生活していても、当然のことながら、周りの人を傷つけるということのハードルの高さは当たり前に感じます。

ただ、そうしたハードルを一見簡単に超えているような事件の報道を見ると、なんというか、戦場で発砲された銃の使用者の中のさらに一部になっていくのかと想像しました。

人の本性について、かなり肯定的な意見の本で、何かホッとした気分で読むことができました。

ABOUT ME
naka
50代男のサラリーマンです。日々試したこと、読んだ本の感想や思ったことを書いています。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA